2015年5月1日金曜日

大腸がんが増加中:定期的な大腸内視鏡検査を忘れずに

『カナダde日本語』よりつづく

カナダの統計でも、他の病気に比べて、がんで死亡する人が最も多く、全体の30%を占めている。上の記事は、1年前の記事だが、2014年に新たにがんと診断された人は、19万1,300人で、死亡すると予測された人は、7万6,600人だった。ただし、新たにがんと診断された人数には、皮膚がんの7万6,100人は含まれていない。カナダの人口は、約3,500万人で(日本の人口約1億2,700万人の約四分の一)全人口に対するがん患者の人口の比率は、おおざっぱに計算したところ、日本が約7.7%に対して、カナダは、約5.4%となっている。

福島第一原発事故が起きて、大量の放射能が撒き散らされた日本だが、こうしてみると、日本もカナダもがんに新たにかかる人口にはそれほど違いがないようだ。国立がん研究センターが嘘の情報を流しているか、NHKが情報を改ざんしているかどちらかの可能性がある。または、放射能汚染水を海に流しているため、その放射能が日本国内に留まらず、世界中にばら撒きちらされているからという理由も考えられる。

一昨年、父親も直腸がんにかかったが、高齢のため、今のところ、定期検査を受けながら、転移もなく、順調に回復している。

日本では、大腸検査を受けるように政府が国民に積極的に薦めているだろうか。カナダでは、大腸がんは50歳以上の人がかかる可能性が高いことから、50歳を過ぎると、保健省から手紙がきて、便潜血検査大腸内視鏡検査(Colonoscopy)を受けるように薦められる。便潜血検査では、あまり正確な結果は出ないことから、今年初めて内視鏡検査にトライすることにした。

検査中は麻酔が効いているので、全く違和感も痛みもなく、あっという間に終わってしまったが、一番つらいのが、内視鏡検査のために大腸内を清浄する準備をすることだった。もちろん、食事は、前の日のお昼以降、検査までは一切食べられない。その上、大腸を戦場するための薬がかなりしんどかった。4リットルもの水に薬を混ぜて飲むのだが、これがはんぱじゃない水の量で、検査の前の晩から飲み始めて、翌日、検査の数時間前まで飲み続けなくてはならなかった。

これを飲むと、すぐに下痢症状になって、大腸内の全てのものが液体と化して外に出された。不思議なことに、水を飲んでいるのに、尿としてではなく、肛門から黄色い水がジャァジャァととめどなく排出されたのだ。大腸にある全てのものがこの水と共に外に出されるので、お腹も少しはへこむかなと思ったのだが、ほとんど変わらず。お腹が出ているのは、内容物のせいではなく、脂肪だったことが判明したのは、少しショックだった。

前日のお昼から何も食べていない上に、この薬で全ての内容物が体内から排出されてしまったため、かなりお腹がすいた。早く検査を終えて、大好きなものを食べたいという欲求がどんどんと高鳴るのを抑えて、検査を受けに出かけた。

受付で簡単な手続きを済ませると、すぐに呼ばれて、簡易ベッドに横になった。それから、いくつかの質問を受けて、生まれて初めて点滴を腕につけられた。それか5分ほどして、大きなテレビ画面のある部屋にベッドのまま移動させられ、このスクリーンに自分の大腸が映し出されるのかと思うと恥ずかしくなった。

でも、そんなことを恥らう間もなく、横向きに寝るように言われて、点滴から麻酔を入れられると、すぐに意識はなくなって、起こされたときは、元の部屋に戻っていた。検査のときに大腸内に空気を入れられたので、看護婦さんに起こされてからおならがでたかどうか確認された。痛みや不快感は全くなく、すでに大腸内視鏡検査が終わってしまったなんてとても信じられなかった。このクリニックにいた時間は、30分から45分くらいだった。

この検査から1ヵ月後に検査の結果を聞きに医師に会ったのだが、大腸内にポリープがあったので、全て取り去り、調べてみたら、そこに初期のがんが発見されたと言われて、かなりショックだった。ポリープはすでに除去されたので、大腸内にがんは残っていないのだが、念のため、来年の1月にもう一度、大腸の内視鏡検査をするということになった。

それにしても、本当にがんが進行する前にこの検査をしてよかったと思う。オンタリオ州では、OHIPカードという誰でももらえる健康保険証のようなものがあれば、無料だが、日本でも検査費用はそれほどかからないようだ。

家族親類にがんにかかった人がいない場合は、10年に1度でいいそうだ。がんの家系でも本人に問題がなければ5年に1度でいいという。又、私のように異常があった場合は、様子みで1年後にもう一度、そして、それで問題がなければ、5年に1度の検査となる。読者の皆様も、50才になったら、心配の方は、40代でも、ぜひぜひ、検査を受けてみてください。